今回は、2007/6月から2007/12月に実現したソリューションをご紹介したいと思います。とある商社より、受注業務の効率化を命題に主要顧客との電子データ取引、いわゆるEDI(Electronic Data Interchange)を行いたいとの依頼を受け導入計画が始まりました。私は当時別のお客様の担当をしておりましたが、Web関連システムの開発経験を買われ、このプロジェクトを担当することになりました。その当時は、EDIと言うと専用のサーバー、専用の回線、専用の...という具合に超えなければならないハードルが多く、どうしても各社各様の通信手順などに縛られ、その商社の別の顧客と同様のEDI要求があった場合は、その都度個別に対応しなければならないことは容易に想像できました。
この壁をなんとか乗り越え、最終的にお客様に最善のソリューション提案をすることができ、今日現在(原稿掲載日現在)主要顧客(以降エンドユーザー)数社で展開運用されてます。
インターネット回線の有効利用 要件上記の要件を実現するために、お客様を含め担当者は当初、通信手段として専用の回線が必要で、INSの回線を双方へ導入する方向で話を進めていました。当該システムを展開するにあたり、この初期コストとランニングコストの壁は、越えなければいけない最初のハードルとなることは必至でした。 しかしこのご時世(2007年当時)ですから、企業においてインターネットを利用していない企業は、主要都市に支店を持つお客様のエンドユーザーで考えれば、ほぼゼロと言えると思います。その通信回線を有効利用しない手は無いと考えINS回線ではなく、インターネット回線の利用を提案しました。また、 Windowsの普及のお陰で、パソコンを買えばOffice製品(Word, Excdel)の導入されていないパソコンも限りなくゼロに近いということを踏まえ、お客様の了承を得て実際のアーキテクチャーを考え始めました。記念すべき第1回目の「ソリューションの閲覧」でご紹介した、「ExcelによるHTTPアクセス」の応用で実現できるシステムの提案をしたのです。
これからはPHP基本通信のアーキテクチャについては了承して頂いたものの、お客さまのサーバー構成について、何を利用して実現するのが良いかはかなり悩みました。 IIS, tomcat, XAMPP, Java, CGI, .NET, ...当時のインターネット上を賑わせていたサーバーおよび開発言語は多数ありました。しかしながら、追加の通信コストのゼロ化に加え、サーバーおよびそれ以外のところでも費用を抑えるご提案をしたいと考えておりました。折しも当時、IBM i (AS/400) では Zend Core for i5の英語版が無償で構成できることが発表されておりましたので、将来的な オープンソース(OSS)の利用も見据え、当該サーバー構成をご提案しました。 こうして、Zend Core for i5を構成することで、ソフトウェアに掛ける費用は開発費のみ(サーバーセットアップ料金は別)に注ぎ込むことが可能となりました。
図にあるように、フロントエンドにExcelを選択したことにより、こちらが提供したExcelファイルを単純に任意の場所に配置するだけで相手先への導入は完了するため、お客さま自身で他のエンドユーザー様へ展開することも可能になったのです。こうして無事サービスインを向かえることができました。これは後日談ですが、展開先のエンドユーザーのシステム部門の方から、「今回の仕事が一番楽しかった」とのお言葉頂いたとお客様からお聞きすることができ、とてもうれしく思ったことを覚えています。このシステムを評価していただいたことで、次の案件も担当させていただくことができました。
最終システム構成 クライアント側お客様からの要望を実現するため我々は様々な角度からソリューションをご提案させていただきます。 お一人で悩まずに我々に是非ご相談ください。